麺の読み物
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冷やし中華の起源は?
2024.7.22夏と言えば冷やし中華、冷やし中華について詳しく解説していきます。
1. 冷やし中華の起源
1-1. 冷やし中華は日本発祥です
冷やし中華は、1940年代後半に日本で生まれたとされています。戦後の食料不足が解消され始めた時期に、新しい料理として提案されたのが冷やし中華です。その起源には諸説ありますが、一般的には東京と仙台が発祥の地とされています。
1-2. 日本の冷やし中華の元祖は東京と仙台にある
東京と仙台、二つの都市が冷やし中華の発祥地として知られており、それぞれが独自のスタイルを確立しました。
1-2-1. 東京の冷やし中華
東京での冷やし中華は、「冷やし中華始めました」というキャッチコピーとともに広まりました。最初は簡素な麺と具材でしたが、次第に具材が豊富になり、彩り豊かな料理へと進化していきました。東京版の特徴は、甘辛いソースと具材のバランスにあります。
1-2-2. 東京の冷やし中華は「揚子江菜館」が発祥
明治39年創業の老舗中華料理店『揚子江菜館』で冷やし中華が誕生したのは昭和8年のこと。二代目オーナーが考案した冷やし中華は、現在では日本中で親しまれる味となっています。「冷やし中華」と聞いて、麺の上に山状に盛られた具を思い浮かべる人が多いですが、その原型を作り出したのが『揚子江菜館』の二代目オーナーです。オーナーは神保町の店舗から見えた富士山からインスピレーションを受け、具が山を模し、錦糸卵が富士山にかかる雲を表現しています。
参考記事:
冷やし中華発祥の店!神田神保町『揚子江菜館』の「五色涼拌麺」【下町の美味探訪7】
冷やし中華の元祖!あの名店で冷やし中華づくりの極意を聞いてきた!
1-3-1. 仙台の冷やし中華
仙台における冷やし中華は、東京とは異なる進化を遂げました。仙台版は、独自の味噌ベースのドレッシングが特徴で、地元の味噌を使用したことで独特の風味が生まれています。仙台の冷やし中華は、地域の食材を生かしたバリエーションで知られています。
1-3-2. 仙台の冷やし中華は「中国料理 龍亭」が発祥
昭和12年に仙台の冷やし中華は「中国料理 龍亭」にて生まれました。当時、暑い夏に熱々の中華料理が敬遠される中、「中国料理 龍亭」の初代店主が仙台支那料理同業組合(現・宮城県中華飲食生活衛生同業組合)のメンバーと共に「凉拌麺」を考案しました。日本の豊富なきれいな水を活用し、本場中国にはない冷やした麺料理を作り出しました。「凉拌麺」の「拌」は「和える」という意味で、タレと麺、具を混ぜて食べる冷たい料理として名付けられました。当時のトッピングは茹でたキャベツ、ニンジン、キュウリ、チャーシュー、茹で卵で、夏バテ防止のために栄養豊富な料理として提供されました。